私のよくうたう歌、私なりの日本語にしてみました。ほんにゃくあそび、ちょくちょく更新。
ほんにゃくあそび⑥
Pannonica
Lyric by Jon Hendricks
Music by Thelonious Monk
シルクよりもやわらかく
あたためたミルクのよう
空気のようにふんわりと
飛んでくるあなたを待つ
花たちは至福とは何かを
知っている
至福とは、あなたのキス
Pannonica 僕のちょうちょ
大空にひとり輝く太陽の
鮮やかなスカーフのよう
ふんわりと撫でるように
風を抱いてあなたは飛び
彩られた羽をはなやかに
翻している
あなたのキス、待つ至福
僕のちょうちょ Pannonica
あのさみしい花たちのように 何時間でも待つんだ
あなたが僕に触れるあの瞬間を
あなたがすぐそばまで来たら 迷わず手を伸ばして
僕のちょうちょを捕まえるんだ
繊細なあなたはまさしく
はかない蝶々の羽のよう
いくら言葉にしたくても
詩人さえ言い表せなくて
あなたはついに繭の外へ
一歩、また一歩
かすかな足音は愛の音楽
Pannonica
僕の素敵な、素敵な、小さなちょうちょ
ほんにゃくあそび⑤
Afro Blue
Lyric by Oscar Brown Jr.
Music by Mongo Santamaria
あなたはどこからやって来たの?
目を閉じて思い出してみてーーー
太鼓の音が聞こえる
記憶の向こう、いくつもの夜闇の彼方
大地は輝くカカオ豆色
リズムに合わせ
鋭い目の少年と美しい少女が
くるくると回り踊る
二人は見つめ合い、体を揺らし、
優雅な足取りで、滑り、潜る
夜は、歓びに溢れている
私は目を閉じたまま、目を凝らして追いかける
ぬるりぬるりと寄せては返す二人の影を
アフロ・ブルーの夜闇に光る、真っ黒い大地を
ほんにゃくあそび④
でびちゃんのワルツ
Lyric by Gene Lees
Music by Bill Evans
でびちゃんは、みんなといっしょにすんでます
おにんぎょうさん ぴえろさん
おうじさま おひめさま
おっきなむらさきくまさん
でびちゃんのママもいっしょのおうちです
ママはおこりんぼです
でびちゃんは、ダンスがとくいです
すきなダンスのばしょは、しばふのうえです
いちばんとくいなダンスは、おひさまのワルツです
でびちゃんのママも
わかいときいちばんダンスがうまかったんだって
でびちゃんのママも
おにんぎょうさんと ぴえろさんと おうじさまと
あと、へんなかおのくまさんといっしょにすんでたけど
たぶんおばあちゃんがどっかにすてちゃったんだって
でびちゃんは、なきむしです
へんなかおのくまさんもなきむしです
でもママにいったらしんぱいしちゃうから
これはでびちゃんのひみつです
ほんにゃくあそび③
My One and Only Love
Words by Robert Mellin
Music by Guy Wood
四月、窓を開けて
考えるのはあなたのこと
目の前で春はふわりと翼を広げ、
そよ風に吹かれた私の心が歌い出す
月と星たちの影に夜が静まり
夢の準備を始める頃
私はあなたの腕の中で羽をあたため、
あなたにもひとひら、渡そうとしている
私を触って
頬を包んで
この羽に名前をつけて
伸ばされたあなたの両手は熱い
ひとひらの羽、私の全て
明け渡してすっからかんになっては、
私は唇を開き、
愛に塞がれたいと、もう一度願っている
ほんにゃくあそび②
Spring Can Really Hang You Up the Most
Lyric by Fran Landesman
Music by Tommy Wolf
この春の私はまぬけな馬
ゲートが開いたのに 駆けていきもしない
一人じっと 空ばかり見つめて
あんまりうららかで悲しくなるばかり
春の花は愛され上手な女
太陽のキスを浴び まぶしそうに伸びをする
私はたてがみを垂らし くしゃみをくり返し
あんまりうららかで悲しくなるばかり
春の鳥は浮かれた恋人たち
巣作りに熱を上げ 愛の歌をまくし立てる
昔よく歌ったその歌を
私は誰にも聞かれぬよう 再び口ずさもうとしては
漏れてくるいななきに悲しくなるばかり
お正月、雪の下に見つけたクローバー
確かにここにあったのに
探しても、探しても
春はこのとおり 時間どおりにやってきて
あんまりうららかで
私は悲しくなるばかり
ほんにゃくあそび①
Love Dance
Music by Ivan Lins & Victor Martins
English Lyric by Paul Williams
いつもよりおしゃべりな二人の肌が
長話の途中、ぎこちなく触れる時
夜は音を消し、甘い口を開く
そのなめらかな舌の上
おぼつかない足どりで愛が
歩こうとする
ダンスしようとしている
付けっ放しの電気の下で眠る二人が
同じ夢の途中、夜の終わりに気付かない時
朝は何も言わずに、そっとカーテンを閉じる
おだやかな光の中
指を絡めたままで愛が
歩き出せるように
ダンスをはじめられるように
私たちは胸元で耳を澄ます
響くことのできなくなった魂が、ここに休めますように
疲れはててしまった夢が、新しい羽を見つけられますように
静かに、静かに、、、
いつもよりおしゃべりな私たちの指先が
長話の途中、恋しさに突き動かされた時
愛が、触れる
ーーあなたにも、私にもーー
その感覚を、「信じよう」とあなたは
静けさのボリュームを上げて
愛のために、ダンスの音楽を