また新しい年。みなさまどうもありがとうございました。もえるゴミとびんを出して普通の朝に戻った第一日目。寝正月、おいしい日本酒のお正月でした。
いろいろとあった2021年、年末、大好きな人たちとたくさん一緒に演奏できて、本当にしあわせだった。ありがとうございました。大好きな人たちと言っても、それぞれの公演のためにはじめて出会った人の方がずっと多いライブだった。なんだろう。みんなすっかり好きになってしまった。そういう自分が戻ってきてうれしかった。翔くん、ゆみちゃん。最後2日間は志宏さん。本当にありがとう。私の命の恩人たち。そしてビキ。
あんなに覚えるのが大変だった志宏さんの曲たちが、あちらこちら、頭の中をずっと回り続けていた。みんなと打ち上げの後ホテルに戻って、ちょっとだけ寝てチェックアウトした帰りの電車で、あの日はすごく寒くて、電車の窓から見える遠くの雲の輪郭がいつもと違ってふんわりちぎれていた。その雲の形をずっと見ていたら、みんなの音楽のあちこちが、順番に、違う順番になって、戻ってきて、また戻ってきて、私は感動していた。気付いたら眉間にしわが寄っていて、きっとまるで辛いような顔をしていた。泣くのをこらえていたんだけど、なんでこらえたんだろうな。大船駅に電車が止まって、観音さまを見なくては、と思って、座ったまま少しかがんで窓の外を眺めた。足元があったかかった。
朝まで好きな人たちといられるのはなんてしあわせなんだろう。すごく疲れたけど、たのしい時間の中に、そのまま私もなくなっていっちゃえばいいくらいだったので、疲れてようがなんだろうがよかった。朝方、会いに行きたかった友だちの待ってくれているお店を、知らない人が一緒に探してくれた。なんて久しぶりなんだろう。渋谷の裏の方の、さっき通った道ばかり、知らない人と何度も行ったり来たり、そんなに悪い街じゃないのに?、と思った。坂がたくさんあって、小さなお店がたくさんあって。どうしてあんなに嫌いになっていたんだろう。このあたりを大好きだった時があった。その頃最高においしいと思っていた魚を出すお店はまだあって、ホルモンを出すお店はなくなっていた。どこかにホテルの鍵を落とした。レインボーカントリーは見つからなくて、鍵代2000円を払って部屋に戻って、ベッド脇のコンセントでスマホを充電しながらゆみちゃんと電話して、意識が途切れていたのに口はしゃべっていて、外がハッと明るくなった。
大晦日、電車が私の駅に入って、さっきまで明るかった空が急に翳って暗くなった。少し残念に思っていたら、窓の外にたくさんの白い小さな雪の粒が降ってくるのが見えて、ドアが開いた。私はホームに降りて、空を見上げると雲が光っていて、雪の粒もたくさんたくさん光って、大人や子ども、犬、たくさんの人が道を歩いていた。いつも通りカラスが飛んでいて、トンビもゆっくり飛んで行った。雪の中を、さわれないほど小さな一瞬の雪の粒たちが、ずっと上の方から、私に見えるそこかしこに降り落ちてきては消えていく中を。
新しい手帳に、Lucille Clifton の詩を書き写した。
i am running into a new year
and the old years blow back
like a wind
that i catch in my hair
like strong fingers like
all my old promises and
it will be hard to let go
of what i said to myself
about myself
when i was sixteen and
twentysix and thirtysix
even thirtysix but
i am running into a new year
and i beg what i love and
i leave to forgive me
今年もよろしくお願いいたします。どこかできっとお会いしましょうね。
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濱ちゃんありがとう!